レノボ 「ThinkPad T420s」のヒンジとトップカバーが壊れたので交換修理してみた

皆さま、こんにちは

今回はレノボのクラシックThinkPad、T420sを交換修理したお話をご紹介します。

このモデルは中古PCとして購入し、前回もお話しましたが、当初気になったのは本体のひどい汚れでした。これはクリーニングする事で解決したのですが、使っていると、他にも気になる点が出てきました。

私はノートパソコンを使用する時、毎回モニターを開閉するのですが、それを繰り返していると、モニター部分がグラグラしていることに気づいたんです。原因を探ってみると、どうもヒンジ部分にグラグラする要因があるようです。

別に地震が起きている最中にPCを使うわけではないので、普段の使用上は特に問題無かったのですが、他のThinkPadは開閉がしっかりしており、モニターを安定して支えていたので、どうしても気になってしまいました。

そこで、ヒンジが弱っているのだろうと思い、パーツ交換を試みたんです。しかし、これが後で災いしました。

ここから、T420sの修理物語が始まります。

1.ヒンジを交換してみる

まず、ヒンジのパーツは日本のヤフオクなどでは見つからなかったので、海外のeBayで購入しました。送料込みで4,000円くらいしたと思います。

1-ThinkPad-T420s用のヒンジを購入

いつも通り、バッテリー・DVD・SSD・メモリなどを取り外しておきます。

2-バッテリー・DVD・SSDなどを取り外す

交換するのは、左右のここの部分となります。

3-交換するヒンジはここにある1

4-交換するヒンジはここにある2

見た目では分かりづらいのですが、パーツ交換後です。非純正だからか、形状が若干異なって(歪んで?)おり、取り付けるのに苦労しました。回転する部分もきつめです。

この時点で無理をせず、パーツを元に戻しておけば後で苦労する必要は無かったのですが、結構高かったので、使用しないのはもったいなかったのです。

5-交換後のヒンジは動きが固い1

6-交換後のヒンジは動きが固い2

2.ヒンジが固すぎて、トップカバーのネジ穴が壊れてしまった!

とりあえず、気になっていたヒンジのグラグラ感は無くなったので、その時は喜んでいたのですが、3~4回トップカバーを開け閉めした後、異変に気付きました。以下の写真ではすでにパネルを取り外していますが、ヒンジの部分がご覧のように外に飛び出していたのです。何が起きたのかと、最初目を疑いました。

当時は分解するまで気づかなかったのですが、よく見てみると、ネジ穴の金属部分が無くなっており、そのためネジが外れているのが分かります。

7-壊れたヒンジ1(ネジ穴が取れた)

8-壊れたヒンジ2(ネジ穴が取れた)

全く使用できない状態になってしまったので、すぐに分解してみました。下記は、液晶モニター部分をそっくり取り外した後の写真です。

9-液晶モニターを外し、本体だけのThinkPad-T420s1

トップカバー部をアップで見ると分かりやすいですかね。左右を比較してみると、左の金属で出来たネジ穴だけ取れています。ヒンジの可動部がきつめで、ネジ穴が負荷に耐えられなかったのでしょう。

10-ネジ穴が取れたアップ画像

11-こちらはネジ穴が取れていない

他のプラスチック部分も壊れており、このトップカバーは使えなくなってしまいました。

12-壊れて使用できないトップカバー

3.ヒンジ付きのトップカバーを購入して、修理の再開

それで、新たに購入したトップカバー(FRU No. 04W3415)が下記の写真です。eBayで8,000円くらいだったと思います。ネジ穴がちゃんと付いている以外で、これの良い所は、純正のヒンジパーツも最初から付属している事です。最初からこちらを買えば、手間もかからず安く済んだのですが、中々そのような判断は難しいですね。

13-新たに購入したトップカバー1(04W3415)

14-新たに購入したトップカバー2(04W3415)

両方のヒンジも適切に取り付けられています。

15-購入したヒンジ部分アップ1

16-購入したヒンジ部分アップ2

一応、型番も載せておきます。

17-型番(FRU-No.04W3415)

これから、T420sの本体に液晶モニターを取り付けていきます。キーボードとタッチパッド一体型のパームレストを取り外します。

18-液晶モニターを外し、本体だけのThinkPad-T420s2

19-キーボードを取り外す

20-タッチパッド一体型のパームレストを取り外す1

21-タッチパッド一体型のパームレストを取り外す2

購入したトップカバーを本体に取り付けていきます。

22-購入したトップカバーを本体に取り付ける

配線を整えつつ、タッチパッド一体型パームレストをかぶせます。

23-配線を整えつつ、パームレストをかぶせる

ヒンジ部分はこんな感じです。

24-取り付けたヒンジ部分アップ1

25-取り付けたヒンジ部分アップ2

裏側にも配線が必要なので、こんな感じに整えます。

26-裏側の配線も整える1

27-裏側の配線も整える2

後は、キーボードと液晶パネルを取り付ければ完成です。

28-キーボードと液晶パネルを取り付ける1

29-キーボードと液晶パネルを取り付ける2

30-キーボードと液晶パネルを取り付ける3

電源ボタンを入れてみると、問題なく表示されました。

31-電源を入れると、問題なく画面が表示された

4.修理交換してみた感想

ヒンジ部分がちょっと気になるからと、余計な事をして想定外の出費になりましたが、結果的には以前よりモニターの開閉具合もスムーズになり、そして傷だらけの見た目も改善されたので良かったと思います。

前回もお話しましたが、このような経緯で手間がかかった分、T420sへの愛着もひとしおです。

今回の教訓1:

ちょっと日常の使用に不満があっても、動作に支障が無ければ余計な所はいじらない

今回の教訓2:

修理が必要になった時は、修理時の作業やトラブルを想定して、多少高価でも品質の良い(と思われる)補修部品を選択する

ちなみに、仕事用の『ThinkPad X1 Carbon 2017』にお茶をこぼしてしまった時は、ちゃんと教訓2を生かす事ができました。

X1 Carbonの修理にはキーボードの交換が必要となりましたが、キーボードのみの補修部品を購入せず、代わりにパームレスト・タッチパッド・指紋認証・USBポートなど、もろもろ一体型の補修部品をまるごと購入しました。おかげで、お金は多少かかりましたけれど、修理の作業をかなり楽に進めることができました。詳細は、ビジネスサイトの方で紹介しています。

おわり