フルカラー実習 第二種電気工事士技能試験 改訂2版

第2種電気工事士の技能試験で使用する技術を基本から学べる本です。フルカラーで写真や説明も豊富ですからわかりやすいですし、練習問題も充実しているため本書を一通りやり遂げれば、試験に合格できる充分な能力は身についているでしょう。

学生の方は学校で電気工事の施工技術を学べますからまだ良いのですが、問題は独学者の方で、基本を丁寧に説明した本書は必須だと私は感じました。

しかし、試験を制限時間内に綺麗な配線で作品を完成させるためには、本書だけでは不十分だと思います。これ一冊の他に、DVDなどが付いた動画で実際の作業を参考にしながら練習すれば、完璧になるでしょう。

残念ながら本書は絶版になってしまいました。てっきりオーム社から類書が出版されていると思ったのですが、不思議なことに見つかりません。一応下記のリンクには同社の技能試験対策の本を紹介しておきます。

技能試験は合格さえすれば作品の完成度は気にしないという方には本書は不向きかもしれません。なぜなら技術を丁寧に身に付けたい方のための、急がば回れ的な内容だからです。

現在技能試験で出てくる候補問題13問はあらかじめ公表されていますから、どんな問題が出てきても対応できる本書の構成よりも、公表された13問に注力した内容の本の方がよく売れるのは仕方のないことだと思います。

それでは各章の説明をしていきます。絶版ですから、あまり詳しく書いても意味がないと思うので簡単にだけ書いておきます。

第1章:技能試験と対策

ここでは、技能試験に合格するための学習計画やその対策について解説しています。特に独学者は基本的な前提知識が抜けていても誰も注意してくれないので、ちゃんと隅々まで読んで試験のことや試験で何を求められているのかなどを理解しておく必要があります。

私が思うに、ここで語られている内容の理解が不十分だと、後で細かい部分で勉強をやり直す羽目になる可能性も出てくると思います。

第2章:複線図の書き方

単線図から複線図に変換する方法について学びます。本書の良い所は、写真が多く、説明が完結で、練習問題が豊富ということです。

第3章:基本作業の施工手順

ここでは工具や材料の準備から始まって、個々の具体的な作業の練習により基本的技術を身に付けます。この章で学んだ技術を総合的に活用して、一つの作品を完成させますから非常に重要な項目です。

第4章:試験の開始から終了まで

技能試験がどのように実施され、どのような施工手順で行えばよいかについて説明しています。独学者にとっては、試験の判断基準がどのようになされているのかをしっかりと把握しておく必要があります。電線の適切な寸法取りを知っておくことも、正しいサイズで作品を完成させるためには必須となります。

第5章:候補問題の施工例

過去に公表された候補問題の施工手順を分かりやすく解説しています。試験で出る一通りの電気回路の練習が出来ます。しかし、本書の候補問題は実際の候補問題と異なるため、別に試験用の練習をする必要があります。

まとめ:

レビューは以上です。技能試験で必要となる技術を基礎から一つ一つ学べるので、一通り勉強を終えた頃にはいろいろな回路図を複線図に直して施工できるようになっているでしょう。一方、実際出題される候補問題は載せていないので、ぶっつけ本番では不安になります。そのための教材を別に用意する必要があります。私は同社から出版されている「二種電工技能試験 DVD付き」をお勧めします。

本書は絶版なので同出版社から出している別の書籍を紹介することにします。

リンク

本の詳細・他の方の感想・購入に興味のある方は、こちらをクリックしてください。