第2種電気工事士筆記試験 すい~っと合格

第2種電気工事士の筆記試験を合格するために、わかりやすく、覚えるべき分量も多すぎもせず少なすぎもしない、バランスの取れた良書だと思います。

筆記試験はこれで勉強すれば十分高得点(80~90点位)を狙えるでしょう。100点満点を狙う方は本書以外にも書籍が必要でしょうが、その場合効率が悪い勉強になると思います。

それよりも実技の方がやや厳しめですので、私のように独学で合格を目指される方は、早めに筆記試験の勉強を終わらせて実技試験の準備をされることをお勧めします。

カラーで写真やイラストも豊富に挿入されていますから、実際どのように電気工事が行われるのか視覚化しやすいです。資格取得を目指す学生さんにも良いですが、自分で電気工事を行う予定がある人にも非常に助かる内容だと思います。

私が実際試験を受けて感じたのは、本書に書かれている内容は全て試験に出るかもしれない、という姿勢で丁寧に読んだ方が良いということです。基本的に重要なことしか書かれていません。

それでは章別に感想を書いていきます。

第1章:配線図記号

ここでは電気工事の設計図面に使用される様々な記号とそれに対応する器具が写真やイラスト付きで丁寧に説明されています。何度か読み返していれば、自然と知識が頭に入ってくるでしょう。試験はマークシート方式ですから、厳密に覚えなくても問題は解けるようになると思います。しかし、筆記だけでなく実技も控えていますから、頻繁に使用する記号位はちゃんと覚えておいた方が後で楽だと思います。

第2章:器具・材料と工具

工事で扱う材料と工具を説明しています。ここで覚える内容も実技で使用しますからちゃんと勉強しておいた方が良いです。一応言っておくと、ここで紹介されている工具などは、電気工事にだけ使用されるとは限りません。電気工事は家やビルを建てる際に行われる仕事の一つでもありますから、建築現場でも当然使われることもあります。

第3章:配線設計と電気工事

実際の電気工事の施工の基本を学びます。本章は筆記試験で個人的に一番難しいと感じる内容でした。単に記憶するだけでなく、できるだけ理屈を理解しながら読み進めることをお勧めします。とはいっても、あまり理論的に詳しい説明は書いていないので、私が言う理解とは視覚的な意味での話です。例えば方程式で使用されている数字も、なぜその数字なのかが今一わかりませんし。

後、ここでは暗記するのに紛らわしい数字がたくさん出てきますので、注意が必要です。

第4章:竣工検査

電気工作物によって感電や漏電の危険がないかなどを調べるための検査の方法をここで学びます。正しい計器の使い方もここで学びます。

本書と関係はありませんが、私がオーストラリアでシェアハウスに住んでいた頃、ある時外に捨てられていた電子レンジを拾ってきて使おうという人がいました。そして、その人が電源を入れた直後にショートが起き、その影響で隣の部屋にあった私のコンピュータが壊れてしまいました。こういうこともあるので、一度廃棄された電化製品などには特に気を付ける必要があると身を持って経験しました。

第5章:法令

電気工事士として守るべき法令などについて説明しています。工事や保安に関する電気事業法や電気工事士の作業の範囲を定める電気工事士法などがあります。それと、普段電化製品を購入した際に誰でも一度は見たことがある「PSE」についても学びます。内容も多くないので覚えるのも難しくないと思います。

第6章:電灯配線と複線図

実技で必須となる複線図の書き方をここで覚えます。通常の配線図では、図記号と単線で器具の配置と繋がり方を示しています。これを「単線図」と呼ぶのですが、試験ではこの「単線図」を実際の配線工事をイメージして、器具と電線のつなぎ方を具体的に描き表した「複線図」にする必要があります。その手法を基本から一つずつ学んでいきます。

第7章:電気の基礎理論

中学や高校で学んだ内容を覚えていれば簡単でしょう。電気の基礎をすっかり忘れた方でも、ゆっくり読み進めば十分理解できると思います。

第8章:過去問題で実力アップ

ここでは実際の過去問が多数掲載されています。ちゃんと答えの説明も読むようにしましょう。

重要ポイント丸暗記ノート

後、付録として重要項目を一通りまとめた丸暗記ノートが付いてきます。私は図記号の暗記に活用しました。他にも忙しい方や時間が足りない方にも良いと思います。

まとめ:

以上で本書のレビューを終わります。筆記試験の勉強にも役立ちますが、実技勉強の前準備としても間違いのない良書だと思います。しっかり勉強すれば、まず大丈夫でしょう。勉強に時間の余裕のある方やどうしても満点を取りたい方は、さらに他の書籍も参照してください。

注:本書の感想は2012年度版が元になっていますが、最新年度版も内容の質はそれほど変わらないはずです。購入する際は最新版を選んでください。

リンク

本の詳細・他の方の感想・購入に興味のある方は、こちらをクリックしてください。