最新図解 救命・応急 手当の手引き

本書は急病人が出たり、災害や事故で負傷者が発生した場合、一般人の私たちがどのような救命・応急の手当てができるのかをわかりやすく解説しています。

様々な医学分野がある中で、私がまず興味を持ったのは東洋医学の漢方や民間薬(薬草)ですが、それらは内服薬が多いですし、効果が実証されていない薬(特に民間薬)もありますから、急性の症状に対応するには限界があると感じました。そこで非常時のために、西洋医学の救命・応急手当の知識も身に付けようと思い、本書を購入しました。

私が医学を学ぶ動機は自らを助けるためですが、結果的に自らを救う知識は他の人を救う知識になる可能性もあるわけですから、ある程度の時間を医学の勉強に割いても良いと思っています。

一応言っておくと、「救命手当」とは命に係わる時の手当てで、「応急手当」とは命に係わるような傷病ではない場合の手当てとなります。

他に本書を購入した理由は、私が赤十字救急法救急員の講習を受ける際に、前もってある程度の知識は持っておきたかったということもあります。講習を受ける時期はちょうど忙しかったので、用意された教材をゆっくり読んでいるヒマがないことはわかっていたので、代わりに本書を余裕のある時に前もって読んでおくことでなんとか講習をパスしました。

第1章:救命手当て

ここに書かれている内容は細かい部分では、赤十字で受けた講習内容と異なる所もあると感じましたが、基本的にほぼ同じだと思います。倒れている人がいたら、まず周囲の安全を確認してから、反応があるかどうか、呼吸があるかどうか、大出血があるかどうかをチェックして、それによって対処方法が変わってきます。

図が多く挿入されていて、手当の手法もステップで番号が振られていて、読者が記憶しやすいように配慮されていることが感じられます。

ただし、気道の確保やAEDの使用などは実際に講習を受けられて学んだ方が良いと思います。知識として知っているのと、実際行うのでは勝手が違いますから。

救命手当ては命に係わりますから、冷静さを保ちつつも迅速に行動する必要があります。悠長に観察していたり、本を取り出して取るべき対処法を確認する余裕はありません。手当のやり方はある程度記憶している必要があるでしょう。

第2章:やけど・傷・けがの応急手当

この章では、すぐに命に係わる症状ではない場合の応急手当の仕方が書かれています。手当に時間的余裕がある場合は曖昧な記憶で行うよりも、本で内容を確認などして、確実な手当てを優先した方が後々で良い結果をもたらすこともあるかもしれません。

これからよろずも自然の多い場所で活動することが多くなると思うので、その過程で怪我などするかもしれませんから参考になります。とは言っても、実際自分が怪我をして出血等した時に、学んだことを冷静に実践できるかは不安がありますが、全く知らないよりはましなはずです。

第3章:急病発作の応急手当

こちらは、発熱・けいれん・呼吸困難などの症状が出た場合の応急手当の方法が説明されています。私はすぐ風邪をひいて発熱したり、腹痛が起こったりしますから、本書に書かれているような正しい対処法(基本的な内容ですが)も知っておく必要があります。

第4章:中毒の応急手当

中毒とは、例えばガス中毒・酸欠・食中毒・薬物中毒・アルコール中毒などがあり、それぞれの中毒症状に対して対処法も異なります。

本章の最後には、救急箱の準備と何を常備しておけばよいのかが書かれています。以前本書を参考に薬局に救急箱を買いに行ったら、セットとしてのまとめ売りはされていなかったので、自分でそれぞれ必要なものを購入する必要があったと記憶しています。お金はかかりますし、必要なものを探すのに少々面倒だと感じました。

まとめ:

救命・応急の観点から一般人が無理なく実践できる範囲で、最低限必要なことを図を利用しながらわかりやすく説明されていると感じました。ただし、仮に自分で手当てをした後も、ちゃんとお医者さんに連れて行って診てもらうことが前提の内容となっています。

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