いきなりはじめるPHP ワクワク・ドキドキの入門教室

本書はPHPプログラミングに関する超入門書です。ご自分でウェブサイト制作を行う際に、場合によっては必要になる知識となります。ただし、実際PHPを使用するか否かに関わらず、基礎的なことは勉強することを強くお勧めします。

それと、前もってHTMLの知識は持っていた方が理解は進むと思います。HTMLとPHPを比較検討する際、それぞれが全く違うものだという事を理解するためにはHTMLを最初に理解しておくことが重要だと感じたからです。

WordPressを使いこなしたい場合は、PHPは必須の知識と言っても良いかもしれません。他にネットショップサイトなどで、商品のデータベース構築に必要な知識となります。

そもそもPHPとは何ぞや?と思う人も多いかもしれません。他のPHP関連の書籍では、いきなり変数やら関数やらのプログラミングの話から入る本もありますので、プログラミングの経験がないと敷居が高く感じられることも多いと思います。その点、本書は本当の基本から始まりますから安心です。

第1章では、PHPを勉強する前の心の準備に関して書いてあります。普通こんな基本以前の話を1章使ってまで書くことはしないと思うんですが、それほどPHPの勉強でつまづく人が多いということなんでしょう。私も今から7年以上も前にPHPを勉強したことがあるんですが、確かにその当時は中途半端に勉強して止めた記憶があります。学ぶだけの強い動機を持っていなかったという事もありますが、取っ付き難いものもありました。

第2章では、パソコンの設定に関して一つ一つ丁寧に説明しています。これ程の丁寧さで説明してくれれば、途中で引っかかることもないと思います。XAMPPを使用したサーバの設定から始まり、テキストエディタ(本書ではTeraPad)の初期設定の方法、文字化け対策、そしてひな形ファイル制作まで進みます。よろずはサイト制作の初期の勉強をしていた頃に、文字化けで思ったようにウェブサイトが表示されないことがよくありました。その原因がこの本には書いてあります。

初心者にとってプログラミングの最初の壁は、パソコンなどでの初期設定かもしれません。

第3章では、実際のプログラミングに入ります。アンケートの入力ページを通して、基本的な項目を一通り学びます。別にHTMLを知らなくても本書を学ぶことはできますが、PHPを学ぶのであればHTMLは習得しておいた方が良いでしょう。HTMLとPHPの違いを意識しながら学ぶと良いと思います。大事なことがたくさん書いてありますので、読み飛ばさないように丁寧に順番に読んでいった方が後々の勉強が楽になると思います。

後、クロスサイトスクリプティング(XSS)やサニタイジングなど、ウェブデザイン技能検定の筆記試験でも頻出されるようなトピックも扱っていますので、資格試験を受ける予定の方にも非常にお勧めできます。特に2級ではPHP関連の問題もでてきますから、試験前に一通り目を通した方が安心できると思います。可能であれば、書籍「PHPプログラミングの教科書」を勉強して基本を一通りマスターしておけば完璧です。

第4章では、データベースを作ることを通してPHPプログラミングとMySQLを学びます。データベースでは情報を蓄えたり引き出したりできます。データベースエンジンとしてMySQLを使用します。まずはデータベースの文字化け対策から始まり、データベースの作成、SQL文、保存、読み出し、表示、検索、SQLインジェクションなどを学びます。SQLインジェクションに関しては、ウェブデザイン技能試験に高確率で出てくる問題です。

他に本書にはコラムが随所に盛り込まれていますが、初心者の方には参考になるヒントがたくさん書いてあると思います。特にプログラムにエラーがあってデバッグする必要がある場合は、どこを注意してプログラムのエラーを発見するのかのコツが一通り書いてあります。

ただし、初心者に非常に優しいという事は逆に言えば、プログラミングの知識を多少にでもかじった人の場合は、あまりにも簡単すぎて時間の無駄に感じられるかもしれないということです。私はPHPを本当の基礎から知りたかったので、購入してみて満足できましたが、購入者の知識レベルにより満足度は変わると思います。

最後に、第4章のデータベース編ではSQLで書かれた部分の動作説明がなく、意味が分からなかった部分がありました。SQLについて詳しく説明をすると、混乱する読者がいると思われたための配慮だと思いますが、できれば説明していただきたかったです。

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