家のニワトリ紹介

ニワトリに関しては今回初めての記事なので、まずは始める動機や紹介から始めたいと思います。

なぜニワトリに興味を持ったのか?

経緯を説明しますと、2011年3月11日に東日本大震災があって当初は忙しく食料や水の確保で動き回っていましたが、ある程度落ち着いてくると、いろいろな書物を読み始めることになりました。その時の過程で出会ったのが中島正さんの自然卵養鶏法というニワトリの飼育法です。

これは通常ケージで大量飼育されているニワトリの飼育法とは異なり、可能な限り自然に沿った持続可能な昔ながらの方法だと思います。現代はニワトリを飼う家はほとんどないでしょうが、昔の農家であれば当たり前だった光景です。

飼おうと思った理由は、まず手間がかからないということです。基本的に雑食ですから野菜の切れ端などの残菜等何でも食べます。それに何といっても卵を産みます。糞は肥料になりますし、いざとなれば肉として非常用の食料にもなります。ちなみにニワトリを飼う畜産も農の一つです。

他の理由としては、初めにも話しましたが自然に沿った持続可能な生き方を少しでも体験してみたかったからです。

当然ですが飼うとなれば、小屋も建てなくてはいけません。一通りの知識が身に付くまで、1~2か月かかりました。勉強を通して生き物や畜産のこと、他に環境問題など様々なことを知り、非常に有意義な期間だったと思います。

実際小屋を完成させてニワトリを飼い始めたのは2011年9月頃です。

自然卵養鶏との出会い

このサイトでもたびたび言及している自然農法や百姓という言葉ですが、自然卵養鶏法はそれらを知る前に興味を持った分野です。ニワトリ小屋構築から飼育方法まで、可能な限り自然卵養鶏法の理論を取り入れています。しかし、住宅街でニワトリを飼うのですから、当然気を付けなければならない事もあります。

ひよこ(中雛)の購入

ひよこ(雛)ニワトリを飼うためには、どこからか雛を手に入れなければなりません。そこで、ボリスブラウンという種類のメスのひよこを5羽購入しました。当然ですが、この段階でニワトリ小屋を準備している必要があります。私の場合、小屋を完成させる前に雛を購入したので、突貫工事をやってしまいました。ですから小屋をよく見ると、雑な部分がたくさんあります。(注:右の写真は実際購入した雛ではありません。)

雛の購入先はこちらです。
ピヨピヨカンパニー

ひよこを購入した理由:

大人のニワトリではなく、ひよこ(中雛)を購入したのにはいくつかの理由があります。まず、ひよこがかわいいということ。ひよこのかわいらしいしぐさを見ると、購入して良かったと思います。次に、ひよこから育てることで生き物の成長を自分の目で観察したかったらからです。後、小さい時から育てた方が新しい生活環境に慣れやすいということもあります。

ただし、ひよこから育てる場合には注意すべきこともあります。私の場合5羽購入した内、雛の段階で2羽が亡くなってしまいました。1羽は夜の寒さに耐えきれずに、朝起きたら動かなくなっていました。もう一羽はいくら餌をやってもぜんぜん大きくならず、なんとか生きてほしいと大好きなミミズを与えたりして元気づけようとしたんですが、最終的に病気にかかり亡くなってしまいました。

他のひよこがどんどん成長していくのを尻目に、少しづつ衰弱していき、群れから排除され、寝る時も毎晩1羽だけでした。そして病気にかかり、涙を流しながら苦しんで死んでいく過程を逐一見ていたので、感受性が強いよろずには精神的にきつかったですね。この過程で生き物の生死についていろいろ考えさせられました。

要するに、雛から育てるなら少し多めに購入しておいた方が良いと思います。ただし欲張ると後で苦労することになります。密集させて育てると臭いがきつくなりますし、不衛生にもなりがちです。病気にもかかりやすくなると思います。ある程度余裕を持った広さで飼った方が、ニワトリもストレスを感じず幸せでしょうし、結果的に余計な問題が生じる可能性は少なくなると思います。

レタスを食べるニワトリ(鶏)卵を収穫したいだけなら、大きくなったニワトリ(大雛)を購入した方が手っ取り早いです。成長したニワトリは結構頑丈だと感じます。ほんの数羽だけを飼うなら、大雛を飼った方が手間もかかりませんし、金銭的にもお得かもしれません。でも一番お得なのはお店で安い卵を購入することです。

ちなみに家のニワトリは新鮮な屑野菜をふんだんに餌として与えていますから、お店で購入する卵と若干違います。もし新鮮な野菜を餌として与え続けて市場に出せば、お店の値段では絶対買えないでしょう。卵の味はタンパクで黄身の色はレモン色です。濃い味に慣れた現代人には違和感を感じるかもしれませんが、私にはこれが自然に感じます。

お店で売っている卵の黄身の色が濃いのは、パプリカの粉末などを餌に混ぜて色を付けているからです。もちろん自然の着色料ですからまったく問題はありませんけど、わざわざそのような物を入れないと商売にならないのには考えさせられるものがあります。

右の写真は虫のついたレタスがたくさん採れたので与えていますが、当然普段はここまでしません。

家のニワトリが大好きな食べ物は、一位がミミズ、二位が新鮮な葉物野菜、三位がお店で売っているニワトリ用の餌です。お店で売っているようなとうもろこしなどを砕いた餌はいつも最後に食べます。ケージで育つニワトリであれば、一生ミミズや新鮮な野菜は食べられないでしょうから、家のは幸せだと私は思います。

メスだけを購入した理由:

オスを購入リストに入れなかったのは、早朝にうるさいからです。住宅街でオスを飼うのはまず考えられません。田舎でも隣の家との距離が数百メートルは離れていないと、厳しいと思います。メスも騒ぐことがありますが、大体朝の8時以降ですので騒音も許容範囲だと思います。自然のサイクルを考えれば、オスとメスを両方飼って、ひよこも購入せずに自給したいですけどまず無理です。

ボリスブラウンを選んだ理由:

ボリスブラウンは外国で生まれた種ですが、卵をたくさん産みますし(卵肉兼用品種)病気にも強いですから、一番無難だと思いました。他にも選択肢として、レグホン、烏骨鶏(ウコッケイ)、プリマスロック、名古屋コーチン、ロードアイランドレッド、アローカナなどいろんな種類に興味を持ちましたが、一番最初に飼うニワトリですからあまり冒険はしたくありませんでした。

懐いてくるひよこ

卵1番卵ひよこを育てるのは非常に楽しかったです。餌をやろうとすると、ぴよぴよと近づいてきます。当時の写真がないのが残念です。最初は体も小さくて高い所に登れないので、地面で暮らしているのですが、大きくなってくるとジャンプして高い枝(鶏が寝るために用意した木の棒)に上ってきます。こうなると、私が餌をやりに行くごとに肩や腕に飛び乗ってきます。ですから、服が糞まみれになることもしばしばです。かわいいから気にしませんでしたけど。じっと静かにしていると、肩や腕の上でリラックスしたり、毛繕いを始めたりします。この時期が好奇心豊富で元気もあって、育てることが一番楽しいかもしれません。

大人になったニワトリ

そして大人になったニワトリが、このページの一番上で紹介した写真になります。大人になると、卵を産み始めます。一番最初に産んだ卵は随分小さく印象的でした(右の写真参照)。産む回数を重ねてくると、卵の形や大きさも一定になってきます。去年の2012年はほぼ毎日2~3個の卵を産んでいましたが、今年2013年は平均して一日当たり2個ですかね。若干産む頻度が減ったような気がします。

注意:うちでは家庭養鶏で産んだ卵はすべて目玉焼きやゆで卵など、熱処理をしてから食べています。産卵箱に産み、傷のないきれいな卵であれば生で食べても多分大丈夫だとは思いますが、念のために過熱して食べています。

自然卵養鶏法から学ぶ人生哲学

先ほどもちょっと書きましたが、自然卵養鶏を通して人とは何か、命とは何か、その他社会、経済、環境などいろいろなことを考えさせてくれるきっかけになりました。私にとって大きな最初の一歩だったと思います。現在は、人の命も他の動物の命も本質的には違いがないと思っていますが、このような考えに至ったのもニワトリを育てて、いろいろ見てきたからだと思います。

おわり