レノボ「ThinkPad T520」の使用感レビュー (あっさり風味)

もはや2世代前の古い機種ですが、「ThinkPad T520」の感想を書くのを今まですっかり忘れていたので、使用感を少しだけレビューしたいと思います。

本機は15インチノートブックですから、基本的に据え置きで使用する人が多いと思います。しかし、非常に頑丈に作られているため、毎日の持ち歩きにも耐えられるようになっています。

ですから、T520を毎日持ち歩ける体力自慢で、かつ外でネットも利用したいという方は、直販購入では選択不可能だった、WiMAXやWWAN+GPS機能を新たに付加して、変態仕様にすることも可能です。ちなみに、私が大学生だった10年前には、普通に15インチのラップトップを毎日1時間以上持ち歩いていましたが、今はそういう学生さんも少ないんでしょうね。

ただし、せっかく4コアの高性能なCPUを積めるのに、USBポートが2.0と旧規格までしか対応していないですから、ちょっとチグハグな性能と構成で、不満を感じる部分もあるかもしれません。

ThinkPad T520を分解

T520 トップカバー

私個人は、この質実剛健なデザインが好きです。最近の実用性を犠牲にしたデザインには、あまり魅力を感じません。

T520 背面

裏面から、メモリ、ウルトラベイ、ハードディスクにアクセスできます。

T520 DVDスーパーマルチドライブ

ウルトラベイは、容易に取り出したり装着できるので、便利な機構だと思います。例えば、少しでも軽くしたい場合は、DVDスーパーマルチドライブをダミーに変えれば良いなど、ユーザー側に選択肢があるのがうれしいです。(上の写真に写っているのは、ダミーベイです)

T520 HDD

ハードディスクも容易にアクセス可能です。SSDに交換すれば、性能的にもまだまだ現役で頑張れると思います。ただし、9.5㎜用のゴムレールが使用されているので、7㎜のSSDに換装したい場合は、9.5㎜→7㎜に変換するゴムレールを準備する必要があります。T530には標準で7㎜のHDDやSDDが搭載されていますので、紛らわしいですね。

T520 キーボード取り外し

キーボードを取り外すと、ユーザー自身で交換できる大抵のパーツにアクセスできるようになります。私がうれしいと思ったのは、キーボードの規格がX220と同じだということです。後で書きますが、キーボードのメーカーや固体差によってタイピング感が全く異なりますので、長い目で考えるとお気に入りのキーボードを使い回しできるのは結構重要な事です。

T520 内部

ここまで分解すれば、無線LAN、メモリ、msataにアクセスできます。ただし、Bluetoothモジュールだけは、外枠を取り外さないとアクセスできなかったと記憶しています。

ちなみに私は、WiMAX機能の付いた無線LANモジュールを増設しました。別に外出時にWiMAXを使用したかったわけではなく、単にパーツが余っていたから取り付けただけです。せっかくモバイル用のX220iがあるのに、15インチのT520を外に持ち歩く気にはなれません。

液晶の感想

標準で搭載されていた液晶は、HD解像度(1366×768)でLG製のTN液晶でした。高解像度液晶が当たり前になった2014年の現在では、はっきり言って画面が荒く感じて綺麗に見えません。青っぽいのも気になります。

私がT520で確認した液晶パネルは、CMI製(HD)とLG製(HD)とAUO製(FHD)の3種類です。

この中で、一番綺麗だと思ったのが、AUO製のFHD(1920×1080)液晶です。TNですが動画や写真を見るのに良いと思いました。ただし、非光沢のはずなんですが、若干光沢に近い表面処理に見えます。光の反射が若干強いので、長時間見ていると少し目が疲れます。

一番画面がきたないと思ったのが、LG製のHD液晶です。なにか網戸っぽい縞々が見えるような気がして、非常に違和感を感じました。

また、一番目の疲れにくかったのは、CMI製のHD液晶でした。とは言っても、X220に使用されているLG製のTN液晶やIPS液晶には及びませんけど。

キーボード

T520のキーボードは、X220と共用ですので、ここではThinkPadのモデルに関係なく、ALPS・NMB・Chiconyのそれぞれのメーカーの使用感をまとめて書きたいと思います。

結果、一番良かったのは、若干重めで小気味良い打感があるChicony製のキーボードでした。人にもよるでしょうが、私はこれが一番です。

また、一番悪かったのもChicony製のキーボードでした。品質にばらつきがあるようで、悪い方のキーボードはEnterキー辺りがパシャパシャして、長い事タイピングしていると指が痛くなるくらいです。それに、2度もキートップが外れてしまいました。はっきり言ってひどすぎます。

ALPS製のキーボードも安物っぽいパシャパシャ感があります。あまり褒められた品質ではないと感じました。

巷で人気のあるNMB製は、多分慣れれば、一番早くタイピングできそうです。軽めのタッチで疲れにくいと感じましたので、好まれる理由も分かるような気がします。

全体の使用感

全体的にT520は、非常に高い品質を確保していると思います。同世代のXシリーズよりも作りが頑丈ですし、CPUは4コア、液晶はFHDを選択でき、デスクトップの代わりになるポテンシャルを秘めています。よっぽどの老眼でもない限り、15インチの大型ノートに画像が荒く感じる低解像度を選択する意義は少ないでしょう。

私が不満に感じたのは、本体が分厚く、机に水平に置くことで、キーボードが打ちづらいと感じたことです。例えば、本体の薄い6セルや9セルバッテリを搭載したX200シリーズは、若干背面に傾斜が付いているため、長時間タイピングしても手があまり疲れません。ですから、ノートパソコンは多少傾きが付いて、ウルトラブックのように薄い方が好みです。

まとめ

今回は、簡易レビューという形で、いろいろ思い付いた部分を書いてみました。全体的には素晴らしいモデルなんですが、何と言うか残念としか言いようがありません。大画面にこそ、視野角の広いIPS液晶の利点が生かせると思うんですが、なぜ採用しなかったんでしょうか。ビジネス用途だからこそ、液晶には力を入れるべきです。

X220にも同様に言えることなんですが、T520の型枠に最新CPUとFHDのIPS液晶が搭載されたら私はそれで十分満足です。最新モデルのT540pのように、タッチパッドなどを犠牲にしてまで、見た目をカッコ良くする必要はないと思います。

おわり