今の所、学びに関しては次の5項目を中心の主題として、記事を書いていきたいと考えています。

  • 1. 学問と自己修養(自省・克己・自得)を通して、至誠を体得する
  • 2. 天地万物一体の観点から、自然に沿った生き方を学究し実践する
  • 3. 現代人の価値観に沿った形で、日本人が受け継いできた精神(士道と百姓)を復活する
  • 4. 『小さな志士』を目指す
  • 5. 絶望から立ち直る(回生)ためのヒント

簡単な補足

1番に関しては、「学問の求道者用」で説明しましたので省略します。

2番の『自然』とは、誠・良知・天・円(智)・中庸・無限(智)とも言い換えられます。自然と言っても、木々など緑の多い自然の事だけを意味せず、万物全体を指しています。具体的に現在考えているのは、農作業や太陽光などの自然エネルギーに関連した勉強でしょうか。他にも追々考えていこうと思います。

3番の『士道』とは、『処士(在野の士)』という意味で使っており、武士道の精神も含まれています。『百姓』に関しては、当サイトで何回も書いていますが、「百の性を持つ」という事で、「総合家」という意味でもあります。

過去失った日本人の精神を復活させる事が重要ですが、それだけでは不十分な事は過去の過ちが教えてくれますので、現代の民主主義社会の中での士道とは何かを模索しながら実践していきたいと思います。

4番の『小さな志士』とは、現代の日本人に不足していて、今後必要だと思われる人がどういうものかを説明します。詳細は別ページに書きます。

5番の絶望と回生とは、『小さな志士』になるためには必要なプロセスだと思いますので説明したいと思います。過去の私のように悩んでいる人は世の中にたくさんいるはずですから、何らかの光明を見い出してくれるきっかけになればと思います。

世界の成り立ち

ここからは、大橋健二著の『気の文明と気の哲学』より、天地万物一体論の一部を引用します。人間同士だけでなく、鳥獣草木や石ころまで、万物が自分と同根で一体だという教えです。その根源の事を、人は「無限」「気」「太虚」などと呼びます。

この考え方は、現代科学でもその正しさが一部証明されつつあります。例えば、現在確認されている最も小さな単位の物質は、「クォーク」と呼ばれています。当然原子や電子よりも遥かに小さな物質です。

ここで、いろいろな疑問が浮かんできます。「クォーク」より小さな物質は存在するのか?この「クォーク」はどうやって生じたのか?なぜ、こんな小さな物質から地球や生命が誕生できたのか?などです。

全く何もない「無」から生じたとは考えられませんし、十中八九「クォーク」より小さな物質は存在するでしょう。多分、無限に小さな物質は存在するんじゃないでしょうか。

ですから私は、今後現代科学がどんなに発展した所で、本当の真理や根源には到達できないと考えています。なぜならば、この世は『一体』であり『無限』だからです。物事を分別して判断する『科学(枝学)』では、決して無分別の知は体得できないというのがその理由です。

もし根源に到達できるとすれば、それはそこから生み出された私たち自身でしかありません。自分の心を清明にして、視て感じるしかないのではと思います。もちろん、科学技術を駆使しても、真理の一端を垣間見ることは可能でしょうが、物事を自他と分別している限り、不完全な理解に終始するはずです。

この「気」という考えは、日本人であれば決して荒唐無稽な話ではなく、例えば私たちが普段使用している言葉の中にも、空気・大気・気流・天気・元気・陰気・陽気・気力・気が合う・気のせい・気になるなど、自然現象から人間の精神活動に至るまで全般にわたって「気」という単語が含まれています。日本人は意識しなくても、その存在を昔から信じていたんだと思います。

2000年前の『荘子』の無や万物一体の思想が、やっと現代になって理解受用されつつあるのかもしれません。


「しかし、世間の人は誰でも、たとえば、自分の親兄弟が深い川に落ちて溺れているのを見れば、あわて騒ぎ、大急ぎで走り寄り、これを助けようとするではないか。これを救わんとする者が周囲の目や嘲笑など、何で気にしようか。天下の人々の心は、すべて私自身の心にほかならない。世間の多くの人々が正気を失っているなら、これに深く同情する私がどうして正気を失わないでいられようか」
王陽明語録『伝習録』中より

「学問の道は他なし、此心をあげて天地同根万物一体の本然に帰するのみ也。人欲の私を去て、其本然に帰し、赤子の心を不失(うしなわざる)を仁者と云(いう)」
熊沢蕃山『神道大義』より


最後に

2013年の4月にサイトを開設してから、当初(2013年)と現在(2014年)とでは、学究の主題や方向性が若干異なっています。例えば、資格関連の内容は今後も増やす予定はありません。

まだ心に迷いが残っている時に書いた古いページも、適宜修正していければ良いのですが、膨大な時間が必要となりますので、基本的には一部を除いてそのままにします。本サイトは、管理者であるよろず(潜龍)と共に成長していることを予めご了承ください。

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